前触れはあった様な、ない様な。とにかくバカみたいな痛みに襲われて買い物を途中で切り上げ、帰宅する事に。
だいぶ前ですが、確か買おうとしていた商品を汗ばんだ手で握り、レジに向かおうにも、その距離さえ歩ける見込みはなく、握りしめた会計前の商品を投げるようにその辺に置き、タクシーに乗って帰りました。
すれ違う人どいつもこいつも邪魔くさく怒鳴りつけてやりたくても、できませんでした。怒鳴るか助けを求めるかと言ったら、助けを求めなきゃいけないから。
こんな調子ではタクシーの運転手は何があったか聞きますよね。冷静に「腰痛じゃないですか?このまま病院行きます?家に腰痛の薬無いでしょ」と。
やっと車に乗り込んで家に向かっているのに、今更また待ち時間を食らう気力も無くアドバイスも聞かずに物凄い汗を流して、やっと家に着きました。
マンションのドアが意地悪く重かったです。もう、
でなだれ込み、本当はどこが痛くてこの状態になってしまっているのか分からず、固い玄関先に寝転んで(そこから動けなかっただけでしたが)、やっぱり腰が痛いと知りました。
靴を脱ごうにも体は起き上がらず、これは少しづつ少しづつやっていくしかないのだと、まずは体を横にしてから起き上がろうと首を持ち上げたら全身に響くほど鋭い痛みが腰から走りました。
やっと家まで来れた安心感は吹き飛び、これから先どうしたら良いのか分からずパニックを起こしかけましたが痛みがそうはさせずに、しばらく玄関先に仰向けで痛みが和らぐのを待ちました。
固い床は腰を余計痛くさせ、靴はともかくできるだけ柔らかい場所に移動しようと歯を食いしばって体を斜めにしてモソモソちょっとづつ移動しました。
初めての椎間板ヘルニアはこうして始まりました。
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眠れない前に横にもなれない痛み
痛みを堪えて、それは歩いていると言えるのか分からない態勢で進んでやっとベッドにたどり着き、まずは助けを呼ぼうと同居人に電話しました。
這いたいけれど、意外と這うのは危険なんですね。反った形は余計に腰にショックがきますから。
またあの鋭い痛みに襲われないか用心深く体を倒していきました。でも、もうどの痛みか区別がつかない色んな痛みが走っていたんですけど。ナゼか人は
今現在で充分痛いのに更なる痛みがきたら、もう、いくら自分の身に起こった事だろうが受け止めきれないに違いないという、見えない亡霊にでも怯えた心理でしょうか。
とんな精神と痛みしかない身体では何もできずに、いつの間にか寝入り、と言うより気を失っていたかも。
気が付いたら電話した同居人が早めに帰っていて、呑気そうに「ぎっくり腰かな」と笑っていたのです。
こんなにも痛い病状には「ぎっくり腰」などという
で、しかしながら自分にも分からないし、これだけ苦しんでいる人間に言うのだから多分その、ほのぼのとしたぎっくり腰なのでしょう。
朝、病院に連れて行ってもらったら、「椎間板ヘルニア」という平和じゃない、病状どおり鋭利で冷酷な気配のする病名でした。
当時はまだ手術する場合は一ヶ月以上の入院が必要でした。腰に大きな傷が残る大手術をするのかと涙が出る前に気を失いそうになりました。
ショックで頭が揺れた時、腰に響いて目が覚めました。ですが、医師は軽い椎間板ヘルニアだというのです。
手術はしたければするけれど、そこまで重症ではないとのことでした。とても気さくな先生は「ビキニ着たら傷が見えちゃうよ!ベルトと湿布と薬出しとくから、けん引して帰りなさい」それだけ。
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