薬とコルセット

  

医師のことばのとおり、椎間板ヘルニアを完治させるためには、当時の医学の力では「手術」という方法しかなかったために、「椎間板ヘルニアの治療」という意味の薬は一切出されませんでした。

ただし、「痛み止め」として、現在はドラッグストアなどでも市販されるようになった「ロキソニン」を出してもらいました

ただし、医師曰く



ということだったので、その後どんなに痛くても、必ず飯を食ってからロキソニンを服用するように心がけました。

ロキソニンは、基本的に痛いとき、痛みが出そうなとき、それがはっきりとわからないときには、「朝晩1錠ずつ2回、飯の後に飲め」ということでした。

またその日、いわゆる「コルセット」というゴム製品をしておくようにということで、これを買いました。

コルセットは、痛いときに衰えた筋肉の代わりに支える役目を担ってくれるため、痛いとき、あるいは痛みが出そうなときにつけるようにとのことでした。

ただし、前提として好調なときには装着せず、



ということを重ねて言われました。

その日私は、激痛の翌日ということもあって、多少腰に違和感(力が入らない感じ)があったため、さっそくコルセットを着用しロキソニンを飲みました。

ちなみにそのとき買ったコルセットは、両端にマジックテープがあるゴム版1枚であり、ボクシングのチャンピオンベルトの位置に装着しました。確か、500円前後だったように思います。

腰椎サポート, コルセット
急性,亜急性および慢性腰痛に対するコルセットなどの腰椎サポートの影響に関して得られる現在のエビデンスは、かなり限られている。そのなかでも腰椎サポートは,慢性腰痛治療に益をもたらさないことを示唆した.さらに腰椎サポートは皮膚病変,胃腸障害,高血圧,頻脈,および筋肉組織の障害などの有害作用との関連も示唆した。腰痛に対する腰椎サポートの有用性を検証するためには質の高いRCTが必要である

引用元:物理・装具療法は有用か | 腰痛診療ガイドライン2019

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新型コルセット

そんなわけで、悲しいことに完全な「椎間板ヘルニア」の罹患者の仲間入りをしなければならなかった私は、さっそくその悲しみを、「人生の先輩」であると同時に「ヘルニアの先輩」でもある、バイト時代の先輩にぶつけました。

すると先輩は、たまには飲みに行くかと私を誘い、私たちは久しぶりに会いました。

あいさつもソコソコに、私はコルセットを見せました。先輩が、どうせそんなに安いコルセットだったらロクなモンじゃないはずだということで、確かめてやるからコルセットを持ってこいと事前に命令していたのです。

言われた通りコルセットを持参し、これを見せると、やっぱりこれかぁ、これじゃぁダメだなと、アッサリ断罪しました。そして、先輩は



と言いながら、バッグの中から取り出したモノを見て、私は仰天しました。

それは、簡単に言ってしまえば「ゴムホース」のような異様な長さをともなったコルセットだったのです。

正直、「はぁ?」という感じでしたが、私が出したゴムの1枚板にしろ、先輩が出したやたらと長いゴムにしろ、他の客は「アイツら、何?」という感じだったと思います。

聞くと、そのコルセットは私のものに比べて非常に有能であり、これをしていると骨盤が矯正されるとかで、ヘルニアも発症しなくなるという話でした。

見た目的にはとても信じられないシロモノとして私の目に映りましたが、1カ月貸してやるということだったので、私は「ちょっとイヤだけど借りてやろう」という気持ちになりました。

新型コルセットの効果

その「やたらと細長いコルセット」は、いわゆる「襷がけ」のような形で体中をぐるぐると巻くような感じで装着するというかなり面倒な装着法だったのですが、夏の暑い時期には、そのコルセットがちょっとズレることでゴムの「ヒンヤリ感」を味わうことができるとい点ではちょっとだけよかったかな、という印象が残っています。

しかし逆に、もし装着するのが冬場だったとすれば、しょっちゅうゾクゾクした寒気を感じなければならず、カゼをひくかもしれないと思いました。

で、肝心の効果ですが・・・正直、私の症状ではほとんど改善されることはなかったと言わなければなりません

それどころか、しばらく痛みが出ていなかったにもかかわらず、あるとき事務所で再び猛烈な痛みを感じ、また身動きが取れなくなってしまうのではないかという恐怖を味わいました。

そのコルセットのせいだとは言いませんが、それでイメージが一気に悪くなったのも事実です。

そして何より、そのコルセットを装着したまま、従来のチャンピオンベルト式のコルセットも併せて装着しなければいけないという、非常に情けない思いをしたというのがその印象をさらに悪いものにしていたことも事実です。

実は、時間が経ってからそういうコルセットがあるという話しをかかりつけ医にしてみたところ、それはコルセットというよりは、



であって、まあまったくムダとは言い切れないけれど、基本的にヘルニアがそれで好転することはないとのことでした。まったくやれやれという感じです。

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ブロック注射

再び腰に激痛が走りました。しかも、今回は最初のときとは違って、動けるようになってからも激痛はほとんど緩和されない状況が続きました

私はなんとか車を操って病院に向かいました。いつもの医師に状況を説明しました。

そのときは、別に何をしていたというわけではないのですが、事務所のいすに座っていて腰に強い違和感を覚えたので立ち上がろうとすると、そのとき激しい痛みを覚えたのでした。



医師はそう言いました。「ブロック」とは何を意味するのか当時の私にはまったくわからなかったのですが、痛みに苦しみながらも横目でちらっと見ただけで恐ろしくなってしまうような太い注射が2本用意されていました

その針の太さ、長さもまた半端ではなく正直そのときには、



私は渓流釣りが趣味なのですが、たまたまその医師も渓流釣りのファンであり、腰にアルコール消毒をしながら、「お前はひとりじゃ釣りに行けねぇぞ、あんな山ン中にひとりじゃ・・・」などと言ったので、恐怖を紛らわすために、ちょっと大きなイワナをつり上げた自慢話をわざと持ち出しました。

すると医師は、「34cmっつったらお前、相当デカイなそりゃ・・・いつもの、あそこの沢で釣ったの?」実はその釣り場は、私が医師に教えた「秘密の場所」だったのですが、医師はそのときにエサは何を使ったかとか、水の量はどうだったか、どのあたりで釣れたかなど、だいたい5分くらいかけて釣りの話をしていました

ブロック注射の恐怖

すると突然、「よし、終わったぞ、これで少しは楽になるだろう」と言いました。私は思わず「え?」と言いました。まったく痛みというものを感じず、いつ始まるのかとそれが不安で仕方がない状況の中で釣りの話をしていたのですが、



のです。実際、それからほどなくしてあの激痛が信じられないくらい楽になり、それからしばらくはまた私のもとに平穏が訪れました

ところが、伯父さんの法事で親戚一同が集まった際に、伯母さんたちがやはり腰痛で「ブロック注射」をしたときの話しをしていたのを聞いて、私は恐怖におののきました。

あれだけ太くて長い針を神経が集まってるとこに刺すんだから、もうあんなに痛い注射はしたくないよ。

全身がズキーン!って電気流したみたいに痛いんだから・・・そうよね、あの痛みを考えるとぎっくり腰の痛みならガマンしちゃおうかと思うくらいだよねぇ・・・私なんて涙はポロポロ出るし、体中が痛みで震えるし、もう二度とブロック注射だけはやりたくない・・・

伯母たちの話しが本当だとすると、私が打ったブロック注射はいったい何だったのでしょうか?

そしてまた数年後、そうした激しいヘルニア痛を覚え、もう一度ブロック注射を打つ機会があったのですが、そのときにもやはり世間話のうちに注射は終了しました。

あとで聞いた話ですが、私のかかりつけの医師は、とにかく昔から天才的な外科医だったそうで、とにかくブロック注射ならあの人がいいと評判になっているレベルなのだそうです

ですからみなさんもブロック注射を打つ際には、口コミ情報などでチェックしてから行ったほうがいいかもしれませんね・・・

 

 

 

  

  • 雲のやすらぎプレミアム 
    睡眠という長時間の姿勢が腰痛に大きく左右します。凹凸加工のアルファマット採用で体圧を拡散し負担を軽減しています。まるで雲の上に浮いているような感覚を味わう眠れる寝具。

  • アーユル・チェアー
    座る姿勢は上半身の全ての付加が腰にかかります。日本人の体の特性合わせて開発されたこの椅子は特殊な形状で腰の負担が軽くなり誰でもラクに骨盤を立て「坐骨」できちんと座った理想の姿勢になる画期的な商品です。

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