【他の腰痛とは区別しやすい!】椎間板ヘルニアとは

  

日本人の多くが、いわゆる「腰痛」に悩まされているというのは最近に始まったわけではありません。

ただ、「腰痛」とは言っても、ある単一の症状を指してそう呼ぶだけのことであって、その種類は多岐にわたります。その中でも、かなり多くの人口を占めるのが



です。

椎間板ヘルニアの場合、現在では手術をしなければ改善することはないと考えられており、したがって、いかに「腰痛」を発症させないようにするかということに、椎間板ヘルニアの罹患者は神経を注ぐことになります。

椎間板ヘルニアの場合、腰部の筋肉痛や内臓疾患による腰痛などとは明確に異なり、



という点で、他の腰痛とは区別しやすい病気です。

健常者の場合、腰骨どうしが接触しないようにベアリング(椎間板)がクッションの役割を果たしているのですが、椎間板ヘルニアというのは、簡単に言ってしまうと、このベアリングがクッションの役割を果たさなくなってしまった状況を指します。

そうなると当然、腰骨の神経部分が接触を起こし、したがって、筋肉痛などとは明らかに異なる痛烈な痛みをともなうのが大きな特徴です。

あまりにもひどい痛みのために、歩けない、動けない、起き上がれないなどの症状になることも珍しくありません。

また、椎間板ヘルニアの場合、腰痛だけではなく、半身のしびれなども併発することが多く、中でも、「坐骨神経痛」の発症率が高いと言われています。

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「腰痛い!」のときにはヘルニアかも・・・

「ヘルニア」というのは、主に骨の関節部分のトラブルに関する病名ですが、一般的には、脊椎、腰椎の部分にあたる「椎間板」の部分にこのヘルニアの症状が起こる「椎間板ヘルニア」ということになるでしょう。

椎間板ヘルニアの場合、慢性腰痛とはちがって、長時間にわたって重い痛みがつづくということはほぼありません。

どちらかというと、一瞬刺すような激しい痛みが身体を貫き、それからしばらくは力が入らないような感覚にとらわれることが多くなります

ですから、「腰痛い!」という感覚に突如襲われ、そこから動けなくなってしまったといった経験がある人は、それよりも前の時点ですでに「椎間板ヘルニア」を発症している可能性が高いです。

いわゆる「ぎっくり腰」などは、椎間板ヘルニアの症状ではもっとも典型的な症状のひとつであるといえるでしょう。

もし、そんな経験をお持ちの方は、できれば病院で検査をしてもらい、その後の対策についていろいろ相談したほうがよいといえます。

病院は、「整形外科」がベターでしょう。ただ、基本的には



ということがいえます。

ロキソニンなどの痛み止めや、いわゆる「ブロック注射」などによる「ぎっくり腰」の症状を回避することは十分可能ですが、これは本質的な患部の改善につながるわけでは当然ありません

[硬膜外ブロック、神経根ブロック]
●腰痛患者に対する硬膜外ブロックは短期・中期的な鎮痛およびADL改善効果をもたらす点で有用である。
●神経根性疼痛に対して経椎弓間腰椎硬膜外ブロックおよび神経根ブロックは短期的効果がある.
●ステロイド添加が有意な鎮痛効果をもたらすというエビデンスは乏しい。
[注射療法]
●椎間板内注射は短期・中期的な鎮痛およびADL改善効果をもたらす点で有用である.
●腰痛治療において椎間関節注射および脊髄神経後枝内側枝ブロック・経皮的椎間関節枝ブロックは短期的および長期的鎮痛およびADLスコア改善に有効である可能性がある.しかし、ステロイド添加による有意な効果の増強は認められない.

引用元:インターベンション治療は有用か | 腰痛診療ガイドライン2019

もし椎間板ヘルニアを完治させたいのであれば、

現段階では「手術」する以外に方法はありません

椎間板ヘルニアの手術は、脊髄を切開して行うため、非常に危険が及ぶと考えられています。

ですから、あまり椎間板ヘルニアの手術を積極的に受けたいと考える患者さんは多くないですし、実際、手術をするお医者さんも、どちらかといえば「あまりやりたくない手術」という認識がどうやら強いようです。

ですから椎間板ヘルニアは、そのくらいデリケートな部分にトラブルがおよんでしまったという、



といえるのです。

そのため、椎間板ヘルニアへの対策としては、痛み止めの投薬治療や注射治療、さらには、コルセットなどの装着によって



です。ですから、どちらかといえば「完治を目指す」というよりは「うまく付き合う」というスタンスでとらえるほうが無難な場合が多いのが、椎間板ヘルニアという病気の特徴であるといえます。

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椎間板ヘルニアの原因

日本人の腰痛のうち、椎間板ヘルニアによる腰痛の割合は比較的高いと言えます。

では、なぜ日本人はそんなに椎間板ヘルニアに罹ってしまうのかということになりますが、その秘密を解明するために、椎間板ヘルニアを発症する原因について考えてみたいと思います。

椎間板ヘルニアというのは、腰骨の間にある「椎間板」と呼ばれるクッション機能をつかさどる器官が損傷することで発症します。

その原因は一様ではありませんが、主なものに、「日常生活からの影響」「椎間板の老化」、そして「腰骨の老化」が挙げられます。



ということになります。これは、激しい衝撃を腰に受けた場合や、激しい運動を続けた場合に起こることが多いことを意味しています。

また、椅子に座る際の姿勢の悪さが椎間板ヘルニアの原因になることもあります。

残りの「老化」に関しては、ある意味仕方がないという部分もありますが、近年では、サプリメントなどから「予防する」という考え方も主流になっています。


また、そうした直接的な椎間板ヘルニアの原因ではなく、すでに椎間板ヘルニアになっていたにもかかわらず、それまで痛みが出ず、あるとき突然激痛が走って椎間板ヘルニアを発症するような場合もあります。

これは、加齢などの要因により、腰部の筋肉が衰えてきたことで、腰部を支える力が現象し、その結果、腰骨に緩みが出ることで、もともと椎間板を損傷していた部分が体重を支えられなくなったというケースです。

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椎間板ヘルニアの症状

椎間板ヘルニアの場合、神経同士が触れ合う、あるいは、筋肉が神経と触れることで強烈な痛みをともなう病気になるわけですが、しかしこの椎間板ヘルニアという病気は、「痛い」という感覚だけではない、別の不快感を呈することが多いです。

軽微な椎間板ヘルニアの場合でも、やはり直接神経に働きかけている物質的な原因がある以上、当然「強い痛み」をともないますが、この「痛い」という感覚以外の不快感をともなうのは、悪化した椎間板ヘルニアです。

その不快感の多くが、

・腰部周辺部の鈍痛
・下半身のしびれ

です。

鈍痛に関しては、定期的、あるいは不定期的に「激痛」に襲われる椎間板ヘルニアの罹患者にとってはそれほど苦にならないかもしれません。

しかしこれもやはり不快であることにはかわりありませんし、また、不安にさせられるというのが精神衛生上の問題をきたします。


そして、「下半身のしびれ」に関しても、特に背中側のほうの太もも、ひざ裏、ふくらはぎなどがしびれるため、やはり気分的に非常に嫌悪感が大きいです。

また、椎間板ヘルニアは、「坐骨神経痛」とも密接なつながりがあり、坐骨神経痛を発症する患者さんの多くが、先に椎間板ヘルニアを患っていたというケースが多いです。

坐骨神経痛の場合、ちょうどお尻の上の部分から脚のかかと付近まで、いわゆる「疼痛」に悩まされることが多いです。

ちなみに、この「坐骨神経痛」というのは、何らかのトラブルで「坐骨神経」から痛みが発せられている症状の総称であり、病名としての正式名称ではありません

ストレッチで椎間板ヘルニアを改善

腰痛と言っても椎間板ヘルニア、急性腰痛症、病名がつかない腰痛症、他にも様々な腰痛があります。

そして腰痛に関しての考えも実に様々で、患者でも医師でも手術した方が良いと言う人もいれば、切らずに治すべきだと言う人がいます

私自身も長い間腰痛に悩まされていますし、手術したいと思った事もあります。ですが、手術…さすがに怖いですね。

椎間板ヘルニアの時には手術に踏み切ろうとしましたが、手術するほどでもなく温存治療でごまかしました。なので痛みが消えるのに長い時間を用しました。

椎間板ヘルニアでは、ただ痛みが薄れるのを待つばかりでしたが少し動きやすくなったような頃に硬くなった腰の筋肉を柔らかくしようとストレッチをしました

椎間板ヘルニアという症状には座骨神経痛もつきもので、広範囲かつ負担にならない慎重な進め方をしなくてはなりません

ストレッチは「体操」とは違い、



とします。ヘルニアにかかって痛いまま硬直した筋肉を良い状態にするには、手術をするほどでもないとか、電気治療や牽引も充分に通っているのなら、プラスアルファで無理のない程度にストレッチをすると少しは楽になります

牽引療法

現在報告されている研究は,腰痛(坐骨神経痛を含む)患者へ牽引治療を推奨するのに十分なエビデンスを提供していない。観察研究など一部の条件下で疼痛改善,機能回復までの期間短縮などの、結果が報告されているが、大規模で質の高い、RCT、は少なく、メタアナリシスでも牽引療法が腰痛、(坐骨神経痛を含む)患者の治療にプラセボあるいは修治療に比べ症状の改善につながることは示されていない。

引用元:腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)

腰痛と言っても様々で症状に合わせなければならないので注意しましょう。

椎間板ヘルニアと座骨神経痛の時は、身体が温まった入浴後が良いでしょう。

少し痛みも緩和されているのでついやり過ぎないように、仰向けになり片脚を曲げて抱え込む状態で深く呼吸します

そこから上半身をゆっくり左右に倒すのを20回。その後に首を上げて出来るだけ顔を膝に近づけて深く呼吸します。この時の呼吸は腹式呼吸を心がけて下さい

終わったら一度膝を倒して楽にしてから反対側の脚で始めましょう。この方法は腰はもちろん座骨神経痛で痛む臀部、腰に負担をかけさせないために上半身を支える腹筋への刺激にもなります


このストレッチを始めた頃はワンクールもできないほど痛くて、途中までしかできませんでしたが、膝を抱え込む状態を作れなければ立てる程度から始めても良いのです。

あくまでも無理のない程度にしなくては



できる事から始めて少しづつ範囲を広げていき、動かす事に慣れていく…と考えましょう。

腰痛は安静にと言いますが、意外と長引く腰痛には労わり過ぎという原因も隠れていることが多いのです。

椎間板ヘルニアでは、つい屈まずに真っ直ぐな姿勢を作ろうと上半身を倒して身体を曲げる事が少なくなって腰椎を支える筋肉が弱りがちなので、仰向けの状態から少しでも腹式呼吸などで腰や腹部の筋肉を意識してストレッチをすると良いでしょう。

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椎間板ヘルニアのストレッチ方法

椎間板ヘルニアはひどくなると手術が必要になります。

しかしそこまでひどくなる前に対策を行うことができれば、完治しなくてもあまりひどくならずに一生椎間板ヘルニアと上手に付き合うこともできます

またいつの間にか痛みが起こらなくなる場合もあります。そのためにも



なのです。ここでは腰痛のためのストレッチをご紹介しましょう。

ヘルニアストレッチ1

うつぶせになり、手の平をついて上半身を持ち上げます。10秒キープしてゆっくり上半身を落としていきます。

全身を脱力し数秒休んだらもう一度同じように手をついて上半身を持ち上げます。これを3~4回繰り返します。

これがきついようなら、手をつかずに肘をついてやってみましょう。スフィンクスのようなスタイルです。まず、このスタイルで慣れてからだんだん手の平をつけて肘を伸ばしてみましょう。


次は高齢医者には向きません。

ヘルニアストレッチ2

膝を立てて仰向けになります。膝との間は軽く開いておきましょう手は前でクロスして両肩を軽くつかみます

そして首をもたげて、軽くリズミカルに持ち上げます。首は疲れるまで下ろさずにリズミカルに腹筋を行いましょう。

腰痛を起こさないための腹筋を鍛えます

ヘルニアは改善だけでなく予防も大切です。そのためにも腹筋と背筋をつけることのできる、このようなストレッチはとても大切なのです。

もう一つ寝てできるストレッチを行いましょう。

ヘルニアストレッチ3

うつぶせになって腕は肘を90度曲げておきましょう。足は交互に45度程度持ち上げます

リズミカルに行いますが、そのときに右足を持ち上げたときには左手の肘を持ち上げ、左足を持ち上げたときには手は右手の肘を持ち上げます

これをリズミカルに30秒間を2回行いましょう。つまりだいたい1回30回です。きつい人は30回から始めてみましょう。

ヘルニアストレッチ4

ひざまずいて、片足を前に膝を折って立てましょう。そのとき前に立てている膝に両手を置き重心を前にしましょう。

股関節が伸びるイメージで5秒キープして逆も行いましょう。これを2往復毎日行います。

椎間板ヘルニアのための腰痛体操

腰痛の原因もいろいろですが、特に椎間板ヘルニアの場合は注意しなければならないことや、トラブルの部位によって無理な体操と効果的な体操があります

まず注意として椎間板ヘルニアの人で痛みが強いときは、腰痛体操はお休みして少しでも安静にすることです。痛みが少なくなってきたら、



ようにしましょう。では椎間板ヘルニアのための腰痛体操のご紹介です。

腰痛体操1

仰向けになってから膝を折って胸の方に引き寄せます。両手はそれぞれの膝を持って、足を前後に動かします。太ももの付け根をお腹に押しつけながら行うイメージです。1分程度行います。

次にそのままの状態で今度は片足を両手で抱きかかえます。もう片方の足をつま先からまっすぐ伸ばし、床から45度程度の高さでキープします。このとき5秒程度キープしますが、これは腹筋と背筋も鍛えてくれます。

腰痛体操2

あぐらをかきます。足の裏と裏をつけて手でつかみます。そのまま膝を床につけるつもりでぱたぱたしましょう。股関節をしっかり開くようにぱたぱたします。

今度はそのままの姿勢で膝を中心に近づけます。1秒キープしたら今度はゆっくり開くところまで開きます。しっかり股関節を使うイメージで行います。数回くりかえしましょう。

腰痛体操3

仰向けになって両膝を立てます。手は自然に斜め下に伸ばしましょう。そして腰を上げて胸、腹、膝を一直線にします。

5秒キープでゆっくり腰を落とし、もう一度行います。同じことを3~4回繰り返しましょう。

腰痛体操4

また仰向けになって軽く両方の膝を曲げておきます。そのまま力を抜いて膝を立てたまま左右に両足を同じ方向にゆらゆらさせましょう

股関節をしっかり使って大きくゆらゆらします。力を向いて行うことがコツ。そのまま力を抜いたまま、しっかり倒し切りましょう。

左右何回もゆっくり倒し切って、床に足がつくように行います。肩は床につけておきますが、これは全体にリラックスして行うようにしましょう。

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ヘルニア患者さん向けの腰痛体操

 

椎間板ヘルニアを持っている患者さんの場合、時として、歩くことも困難なくらいの激しい腰痛(というか、力が入らない、いわゆる「ぎっくり腰」)に見舞われてしまうことがあります。

まあ腰痛には、よく「腰痛体操」と呼ばれる簡単なエクササイズが有効であるといわれます。特に、筋肉疲労が主な原因となっている腰痛の場合には、腰痛体操が有効に作用する可能性が高いです。

ただ、筋肉の損傷や不調とは無関係の症状である椎間板ヘルニアの場合、一般的には、あまり体操をしたり、運動をしたりするのは好ましくないとされます

ただ、体操の内容によっては、椎間板ヘルニアにも有効であると考えられる方法もあります。今回は、そんな「椎間板ヘルニア持ちの方向けの腰痛体操」についてさらに紹介しておきたいと思います。

では、さっそく「椎間板ヘルニア患者さん向けの腰痛体操」の手順を説明していきたいと思いますが、その前に、腰に急激な負荷をかけると、



してしまいますので、そういうことにならないように体操することが最大のポイントになるということだけは留意しておかなければなりません。では、いよいよその手順の説明に入ります。

腰痛体操5

「あぐら」をかくような姿勢で背筋を伸ばして座ります。そして、あぐらの状態から、両膝を左右にひいて開き、両足の裏どうしが完全に密着する形で静止します。

そして、足の裏を合わせたまま、その両足を同時に抱え込むような感じで腰をかがめます。その状態でしばらく静止します。静止の時間はだいたい5秒前後が適切であるといえます。

もし腰をはじめとしてどこにも痛みや苦しさを感じなければ、もう少し腰をかがめて上体を前に倒し、20秒くらいそのままじっとしています

さらにもうひとつの方法もご紹介しましょう。

腰痛体操6

まずは仰向けに横になります

そのまま、両足をそろえて膝を曲げ、「仰向けのまま体育座り」をするようなイメージで、両膝を抱えます。

その状態から、ゆっくりと膝を胸のほうに引き寄せるようにします。

このときに、あまり力を入れすぎず、慎重に行わないと、腰痛はさらに悪化する危険性がありますので、注意してください。

また、引き寄せるときに少し足を開きながら行うと、少し腰への負担を軽減することができます。

膝を胸に引き寄せた上体で、だいたい15秒前後静止させます。そして、その後仰向けのままゆっくりと膝を解放し、元の仰向けの状態まで戻し、全身を伸ばします。

そのままの状態で、仰向けのまま背伸びするような形で、こちらも15秒前後静止します。これが一連のヘルニア患者向け腰痛体操になります。

腰痛体操やストレッチとしてDVDなど映像のものを活用して正しく行ってみてください。

 

 

 

  

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